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この路地の先に・・その4

2009年03月27日





お話の続き



マドリッド、第一日目の朝。
淡い期待も裏切られ、やっぱりバスルームのドアはぴくりともしなかった。
仕方ないので、H美さんがボーイさんを呼んで来てくれた。
事情を理解した彼は、針金みたいなものでこちょこちょっとやってくれて、無事ドアはあいた。

思えば日本を出発してから今まで、なんだかんだトラブル続きだ。行く先、多少の不安もあるが、これ以上のことはそうそうないだろう。

まずは、銀行に行って両替、それから今日からの安い宿を探さなくては。

荷物の整理を始めると、なんか、リュックの一番上のポーチ程の大きさの収納部分がすかすかの様な気がした。


ここに何入れてたっけ?
あっ!!あれがない!!え~なんで?!


私たちは、成田からマドリッドに行く途中モスクアで乗り換えのため、ホテルに一泊しなければいけなかったのだが、荷物はモスクアで私たちの手元に帰ることなく、直接マドリッド行きの飛行機に積み替えられた。
(それを知らなかった私たちは、モスクアのホテルでちょっと困ってしまった。)

これは、後に知り合った日本人バックパッカーの人から聞いた話だが、モスクアの空港での積み替えの時、バックパックなどの鍵のかからないものは、中身を抜かれることがあるそうなのだ。
その彼女は、カメラが無くなっていたと落胆していて気の毒だった。




とある、モスクアの家庭。

テーブルの真ん中には容器に入った赤い、丸い物体が十個ほど置かれている。
テーブルを囲む、小さな男の子と女の子、そしてブロンドの美しい母とがっちりとしたたくましい父。
「ねえ、パパ、これ何?」「食べてもいい?」
「ちょっと待て!!パパが調べてからだ。」
お父さんは、その赤いものを眺めまわし、匂いを嗅いでみる。
おもむろに口の中へ・・。

「グエッ!!なんだ、これは!!」すぐ吐き出したものの、あまりの酸っぱさに口の中は唾液でいっぱいになった。
キッチンでごくごくとコップの水を飲む父をダイニングから見つめる家族の顔には、落胆の色が濃くにじみ出ていた。





あ~あ天罰ですね、私の大切な梅干しを盗んだ。



まあ、梅干し一つでここまで妄想させていただいて元はとったかな。
それと、日本茶のティーバックと、帽子も無くなっていたんですけど・・・。
海外では、貴重品は必ず手荷物にすることをお勧めします。

続きはまたいつか・・・。




  
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