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その路地の先に・・その6

2009年04月23日



お話の続き・・スペイン編


二昔前の、ちょうど今頃、私は友人と二人、マドリッドから寝台列車に乗り込みスペインの北部サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かっていた。

寝台列車は、ちょっと贅沢をして一等車の切符を買ったので、狭い個室の部屋には洗面所や電話も付いており、ルームサービスなども受けられるそうだ。もちろん、貧乏人の私たちがルームサービスなど利用することはないが。
朝にはちゃんと起こしに来てくれるというので、ストに辟易していた私たちは
「ちょっと見直したよ、レンフェ。」という感じだった。



スペインと言うと、情熱、太陽というイメージがあるが、サンティアゴには、フラメンコも闘牛もない。
公園には椿の花が咲き、ちょっと日本的なところのある落ち着いた町だ。
雨も多く、私たちは一日のうちに何度も虹を見ることがあった。



巡礼の町として有名なこの町を、その昔800キロの道のりを歩いて大勢の信者が命がけで目指した。
カテドラル(大聖堂)には今もたくさんの信者が訪れている。
今日は何か儀式が行われており、パイプオルガンの厳かな音色の中、男性が大型の香炉を振り回すのを見ることができた。



ヤコブ像の真後ろに行くための行列があり、みんな像を後ろから抱き締めマントにキスをしていた。
私の後ろに並んでいた女性が

「両手で抱きしめて、マントにキスをするのよ。そしてその時、ひとつだけ願い事をお祈りするの。」
(梅子自動翻訳機による)
と教えてくれた。


何世紀ものの間、巡礼者たちが手をおいて祈った教会の柱は、五本の指の形に擦り減っていた。
熱い信仰をもったはるか中世の人々に思いをはせながら、私もその上にそっと指を重ねてみた。


続きはまたいつか・・・。