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オアシスの町

2010年10月19日

この路地の先に・・その30


ワルザザードは、カスバ街道の中心で、サハラ砂漠への入り口の街でもある。

しかし、ガイドブックを持ってない私たちは、その時、そんな情報も知るすべもなかった。それに、人間勝手なもので、モロッコ人の親切を通り越したしつこさにもちょっと辟易してきて、そろそろヨーロッパに帰りたくなっていた。

アトラスもとりあえず越えてみたし、ここから、エルラシディア行きのバスに乗り、フェズ、そしてタンジェというルートで、スペインに帰る事にした。


エルラシディアに向かう途中でバスに乗り込んできた、なんかちょっと変わった感じのお兄さん。日本人か、と聞くのでそうだと答えるとおもむろに手紙を取り出し見せてくれた。

その日本語の手紙の差出人は、デーモン小暮閣下だった。
内容は、プライベートでモロッコを旅した時、彼に出会いとても親切にしてもらったということだった。
はたして、本物?
疑わしげに見つめる私たちに、彼は、デーモン閣下から送られてきたという、
帽子やなんやかんやを見せてくるのだった。
そして、どうしても今日はうちに寄ってくれと言うのだ。

いや、今日中にタンジェまで帰りたいと何度か断った私たちにであったが、
彼の明日には絶対着けるからという言葉にとうとう根負けしまいバスを降りてしまった。


そして、丘に登り見たものは、息を飲む様な本当に美しいパームヤシのガーデン(森)


その向こうには、土づくりの家が立ち並んでいる。
ガーデンの中には、かわいい小川が流れ、それを飛び越えてみたりしながら、小鳥のさえずりを聞きつつ散歩すれば、すれ違う人たちは、優しい笑顔で「ボンジュ~ル」「サバ?」と挨拶してくれる。





まさしく、ここはオアシスの町。
こんな、美しいところがモロッコにあったんだ!
マラケシュの雑踏と執拗な客引き、そして、はげ山しか知らなかった私たちは、この静かなティネリールの美しさにすっかり魅了されてしまった。



(閣下から頂いた認定証。これも何かの縁かな)