この路地の先に・・その2
この路地の先に・・・。その2
どうしたものかと二人で相談していたら、モスクワで知り合ったご夫婦が
「ホテルで両替するから、タクシーに乗せてほしい。」というスペイン語をおしえて下さった。幸い、第一日目のホテルだけは、日本から予約していたので、タクシーに乗れさえすれば何とかなりそうだ。
捕まえたタクシーの運転手さんは、まだ20代ぐらいの若い優しそうな青年だった。
私たちの、たどたどしいスペイン語もなんとか通じたらしくタクシーに乗りホテルへ向かった。
日本でいうと、ビジネスホテル程度の小さいホテルだったが、フロントのお兄さんたちは夜中にかかわらず、満面の笑みで異国からの客を出迎えてくれた。
「日本で予約して来ました(スペイン語)。」
(にこにこ)
「両替してください。(スペイン語)」
(えっつ!)
「タクシー待ってるんですよ(日本語&ジェスチャー)。」
(おまえ、できるか? いや、おれもよくわからん。焦!)
小さなホテルのお兄さんたちはそんな事に慣れてないらしく、かなり手間取っている。
私たちは、タクシーのお兄さんを待たせているので気が気でない。
そこへ、突然頭にターバンを巻いた謎のインド人(たぶん)が現れた。
日本語もスペイン語もぺらぺらの彼の手助けで、なんとか両替ができた。そして彼は、にこやかに手を振りホテルの中へと消えっていった。
こんな夜中に、日本語もスペイン語も出来る人がここに現れるというのは、ほぼ奇跡に近いことだ。あの謎の人物は、きっと神様が私たちを助けるため送って下さった天使だったにちがいない!!(そんな天使にこの旅の中で私たちは幾度となく助けられるのであった。)
無事タクシーの料金プラス多少のチップをお兄さんに渡す事ができ、お互い「グラシアス!」を繰り返して別れた。
さて、部屋に行くとするか。
H美さん「ねえ、荷持つはどこ?」
がーん!!!!!タクシーのトランクの中じゃん!!
お兄さんリュック下ろさんで帰っちゃたよ!!
旅の第一日目から、すべての所持品を失う事になるのか?!
続きはまたいつか・・・。
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