SAKE(酒)ソムリエになった弟へ

梅子

2010年04月24日 13:00

アメリカ、テキサス州のサンアントニオ市に住んでいる弟が新聞に載りました。
なんと、SAKE(日本酒)のエキスパートとな?!
いつの間に、こんなことに・・・??




子供の頃は猿犬の仲だった私達だったけど、
あんたが12歳の時、母さんが亡くなってからは、何かと協力してやって来たよね。

私が家を出てから、お父さんと二人暮らしの時期は色々苦労もあっただろうね。

いい奥さんをもらい幸せになってくれた事を喜んでいたけど、
なんかいつも、ついてない人だったよね。

貿易会社を辞めた後、得意の英語が生かせると、
チェコから地ビールの機械を輸入する会社に就職したものの、
地ビールブームはすぐに去り、厨房で働かせられたり、焼酎作りをさせられたりしてたよね。

その後、SONYの下請け会社がアメリカに進出するということで転職し、
家族でアメリカに渡ったけど、
これまたアメリカのコンピューター産業が急下降し、あえなく撤退。

だけどあんたは、アメリカに残ることを決意し、
日本食レストランで、マネージャーとして働きは始めたのがもう8年ほど前になるのかな。


とうさんは、末っ子のあんたの事が心配でたまらない様子だったよ。


「なら、一度行ってきたら?なんなら、私が付いて行ってやろうか?」

   「俺はいかん。あいつのみじめな姿は見たくない。」

(という事で、あわよくば、私も一緒にアメリカに行くというもくろみは見事に失敗したけど)


でも・・「みじめな姿ってなん???」
子供を育てながら、夫婦で頑張って、小さいながらも家も買い、幸せなのにね~。


戦争に行ったとうさんの頭の中には、

アメリカ=敵国

移住=ブラジル移民並みの苦労

テキサス=砂漠とサボテンの不毛の地

という図式が出来上がっているのかどうかは、知らないけどね。


今回の記事でやっと安心したみたいよ。
よかった、よかった。一番の親孝行になったんじゃない。



母さんに、商店街の電柱にくくり付けられていたあんたが。

私の貯金箱から盗ったお金を自分の貯金箱に入れていたあんたが。

ブルースリーにかぶれて、ヌンチャクを振り回していたあんたが。

こんなに立派になって、姉ちゃんはうれしいよ。

まあ、貯金箱の件はなかったことにしてやるけん、
遊びに行くことがあれば、そん時はよろしくね。














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